施工事例として「安曇野菓子工房 Maruyama」氷室店をご紹介いたします
和菓子・洋菓子の枠を超えた総合店舗を目指しました
▲入り口プランター付近 「安曇野菓子工房 Maruyama」様の場合は、半径2キロ圏で市場規模を見るとそう大きくない市場ですが、南安曇の幹線道路沿いには大型商業施設が集まり、商業集積地になっています。従って人々は多く集まってくるのですが、幹線道路沿いは非常に混雑するため、目的来店客の多い菓子専門店の出店立地としては適していません。そこで出店地として選んだのは、商業集積ゾーンの幹線道路からつながっている主要道路沿いでした。
その出店地は、松本市から約6.5キロ離れている南安曇郡南梓川村。周囲には競合店といえるお店は少ないですが、松本市内には老舗菓子店などが多数存在しているため、今後、他店の出店も考えられる地域です。そのためにも、お菓子を通して地元の豊かな自然や文化を伝え、地域を代表する「郷土の菓子店」を目指さなければなりません。
| 建物概要 | 新築/S造/2階建 |
| 延床面積 | 338m2/102坪 |
| 売場面積 | 129m2/39坪 |
| 工期 | 2003年5月26日〜9月15日 |
| オープン | 2003年10月24日〜26日 |
「安曇野菓子工房 Maruyama」様は、氷室店以外に路面店を4店、インショップを1店舗経営されています。新築するのは今まで運営されているお店とは形態を変えた、洋菓子工房とカフェを併設した大型店舗。本社工場で3店舗分のお菓子を製造していましたが、今回新しく設けた洋菓子工房にその機能を全て移転し、工房併設店舗を核とした運営に新しく生まれ変わります。洋菓子、和菓子の垣根を超えた、地域密着型の「総合専門店」を目指していきます。
▲店舗外観
「安曇野菓子工房 Maruyama」様の新店は、デザインコンセプトを「ベーシックとモダン」としました。外観はそのお店の顔であり、店内の雰囲気を端的に表す「媒体」ですから、非常に重要です。形、ボリューム、色、素材、そして予算のバランスをとりながら、検討を重ねて形にしました。
また、これからの菓子専門店は、商品に対する技術・サービスの確かさに加えて、「時間をどう過ごしてもらうか」が重要なポイントになってくると思われます。そこで、「安曇野菓子工房 Maruyama」様の新店でも、エントランスに円形の庭を施し、店内には天井を高くとったカフェと暖炉などを設置。時代の先端にありながら、流行に惑わされない基本のしっかりしたお店をつくらせていただきました。
製造・小売である菓子専門店では、居心地のよい雰囲気の売場をつくることと、お菓子を効率的かつ安全に提供するための設備を配することが重要であり、それぞれの役割を分担してつくるのが常でした。しかし昨今では工房を見せることで得られる効果が重要視されています。
理由としては、工房と売場の連携がとりやすくなることで、できたての商品をお客様にお届けできることがまず一つ。そしてもう一つは工房を見せることがお菓子への期待や好奇心を高める演出材料になり、お客様を楽しませる付加価値が創造できることです。しかし見せる工房の場合、厨房空間やオペレーション、機器配置など、その内容を充分に検討しなければなりません。
オープンキッチンを舞台と例えるなら、そこで演じるパティシエは常に美味しいお菓子と、きめ細やかなサービス・満足をお客様に提供し続ける覚悟が必要になります。生半可な舞台演出や装置ではお客様に支持してもらえなくなります。清潔さを維持するのが難しいとか、お客様の好奇心を高める演出ができないようであれば、工房をオープンにすることはおすすめできません。
安易にオープンキッチンにする店が増えてきましたが、その前にオープンキッチンの役割を認識することが重要です。工房の開口寸法や工房内の導線を検討すること、厨房機器が隣接する周辺機能の細部のデザインや納まりにも注意を払う必要があります。そのお店の力を把握することと、常にお客様の心理を意識した視点で設計・デザインを行うことも必要なのです。
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